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東野圭吾「仮面山荘殺人事件」「ある閉ざされた雪の山荘で」感想
 叙述トリックとは、物語の中の登場人物が別の登場人物をだます為に用いる通常のトリックとは異なり、作者が読者の先入観等を利用して本来の事実とは間違った解釈を与える、作者が読者をだます為のトリックです。
 小説やゲームでもわりと用いられるテクニックで、本格ミステリーとは違う、と言う意見もありますが私は好きなトリックのひとつですね。
 以下、タイトル二作品の感想。




 さてそんな叙述トリックを用いた作品です。
 先ずは仮面山荘殺人事件。八人の男女が集まる山荘に逃亡中の強盗が押し入ります。そんな極限状態の中起こる殺人事件、しかし状況から考えて強盗は犯人ではない、では誰が犯人なのか……と言うストーリー。
 鍵は山荘に集まる前に起こった、主人公の恋人の事故死。
 実はその事故死は事故死に見せかけた殺人だったのです! 恋人が服用していた薬は睡眠薬とすり替えられていた事が判明します。果たして誰が彼女を殺したのか……。
 と、思わせておいて実は実は、彼女の死は自殺だったのです。薬は確かに睡眠薬にすり替えられていましたが、彼女はそれに気づいて服用しなかったのです。しかし彼女はすり替えた人間が誰だか気付いてしまいます。そして、死を選んだ。
 納得できないのが彼女の家族たちでした。
 何故彼女は自殺したのかを突き止めますが、証拠がありません。また、仮に殺意を証明できたとしても彼女の死は殺されたに等しいとはいえ、自殺です。
 そこで、山荘を舞台にした殺人事件を起こす事で、すり替えた人物の殺意を証明しようとしたのです。
 これが、この事件の真相でした。
 つまり、全部、お芝居!
 銀行強盗がやって来たのも、殺人事件が起こったのも、全てひとりの人物をだます為のお芝居だったのです。
 その人物とは、主人公でした。
 さて主人公は、確かに薬のすり替えはしたものの、事故後に薬が減っていないのを確認したため、自分の仕掛けは不発だったと思っているのです。つまり、本心から自分は犯人ではない、と思っているところがミソですね。それが明らかになった時、主人公は自分の罪を隠す為に行動に出てしまいます。それが、誘導されたものとも知らずに。
 非常に面白い作品なのですが、何故かこれ、私似たような話知ってました。
 なので、一章の最後の時点でこれって全部お芝居とかのパターン? と思ってしまいました。
 とは言え、それが明らかになっていく過程は非常に面白く、楽しめるお話でしたね。
 主人公が恋人を殺す事を決意するきっかけになったのは、結婚式を前に気になっていた女性から告白に近い事をされた事でした。
 そりゃあ、あかんで。しかもその女性、告白に近い事をやって、恋人を裏切らないでくださいなんて事をいけしゃあしゃあと抜かした挙句、物語の最後で裏切らないでって言ったのに、何てことまで言います。
 いや、男がクズなのは確かだけど、君もたいがいやで、と思いましたとさ。

 ある閉ざされた雪の山荘で。
 ……と言う設定のお芝居をやろう。
 そんなお話。
 叙述トリックとしはたまに見かける「三人称に見せかけた一人称」を利用した作品でしたね。
 山荘で繰り広げられるお芝居を隠れてい見ている人物の視点を三人称っぽく描く、なかなか面白いものでした。
 ある閉ざされた雪の山荘を舞台にした殺人事件のお芝居……に見せかけた本物の殺人事件……に見せかけたお芝居、と言う三重構造が明らかになると思わずあっとうなってしまう事請け合いではないでしょうか。
 本物の殺人事件を起こす事を決意した犯人の共犯者ですが、やはりそれは出来ないと思い直し、狙われた人間に打ち明けてお芝居をすると言うストーリーも良かった。
 結局殺人事件は起こっておらず、お芝居の素晴らしさを再確認した皆は涙を流す、と言うお涙ちょうだいで物語は幕となります。
 こういうのも、たまにはいいよね。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

日記 | 00:00:25 | Trackback(0) | Comments(0)
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